昨日の自分に、少しずつ勝っていく

メンタルヘルス習慣

できない自分を受け入れる

昔の自分は、出来ない自分を責めていた。
でも、少しずつ気づき始めた。
「昨日の自分よりちょっとマシならいいんだ」
それは簡単なことではなかったけれど、
少しずつ、心が軽くなっていった。

できない自分を責め続けていた頃

理学療法士という仕事を始めて、
素晴らしい仕事だと思うと同時に、
「これは患者さんの人生を背負う仕事だ」
というプレッシャーを感じた。

最初は、そのプレッシャーを前向きに受け止めていた。
けれど、仕事を続けるうちに、
その気持ちは少しずつ、不安や怖さに変わっていった。

先輩に指摘されるたび、
患者さんが思うように良くならないたび、
悔しさが積み重なり、プレッシャーはさらに大きくなっていった。

悔しくて、腹が立ったこともある。
だから、寝る間も惜しんで勉強した。
でも、上手くいかない。
人より多く時間をかけるしか方法を知らなかったんだ。
そのやり方が正しいのかも分からないまま、
きっと遠回りもたくさんしていた。

患者さんのため――そう思っていたけれど、
本当は、自分を守るためだったのかもしれない。
できない自分を責め続けることで、
なんとか自分を支えていた。

「頑張ってるね」とか、「これで十分だよ」――
そんな言葉を誰かから受け取りたかったのかもしれない。
きっと言ってくれる人はいたのだろう。
でも、受け取れなかった。

自分を許せるのは、自分だけ。
不完全な自分が、不完全なことをする。
当時の自分には、それがどうしても許せなかった。

昨日よりちょっとマシな自分

必死にやっても、完璧になんて出来るわけがなかった。
最初は「もっと良くしたい」「ちゃんとやりたい」って
前向きな気持ちで努力していたはずだった。

でもいつの間にか、足りない自分を埋めようとして、
自分を追い詰めるようになっていた。
心が折れたとき、「上には上がいる」
「どれだけ突き詰めても、終わりはない」
そう思った瞬間、何かが崩れた。

無気力になって、「どうせ自分なんか」と後ろ向きになったけれど、
ふとしたときに、「昨日よりは、マシだな」と思えた。
完璧じゃなくても、「昨日よりちょっとマシ」
それが、前を向く一歩だったと気づいたのは、最近のことだった。

完璧じゃなくても、ちゃんと前に進んでいる

怖さや不安は、“変わるきっかけ”だと気づいた。
その怖さに少しずつ慣れていくことで、前に進めるんだと。

「怖くて自分を守ろうとした自分」
「怖さを好奇心で乗り越えられる自分」
――どっちも自分だった。

それを受け入れて、ゆっくり歩いていく。
それが、今の私をつくっている。

昨日より少し前へ

完璧を求めて苦しんで、足りない自分を責め続けて、
それでも少しずつ積み上げてきた。

「昨日よりちょっとマシ」

その小さな感覚が、気づけば前を向く力になっていた。
怖さも、不安も、好奇心も、
全部ひっくるめて、これが自分。
完璧じゃなくてもいい。

昨日より少し前に進めていれば、それで十分。
これからも、ゆっくりと、
自分らしい歩幅で歩いていこうと思う。

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